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更級日記

(五十四)仏名会

 師走の二十五日、例の出仕した宮家の仏名会にお召しがあったので、その夜ばかりはと思って参上した。
 四十人余りが皆、白いきぬに濃い掻練を着て坐っている。
 宮仕えの導きをしてくれた人の陰に隠れて、人中にはちらと顔を見せ、暁には退出する。
 雪も散りつつ、はなはだ厳しくさえて、凍ったような暁方の月が、ほのかに、色濃い掻練の袖に映っているのも、誠に、ぬれた顔のごとくである。
 道すがら
 
  年は暮れ 夜は明け方の月影の
   袖に映れる程ぞはかなき
 
(年は暮れ、夜は明け、明け方の月影が、袖に映っている折ははかない)
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作成者: com

内容
・日本の(主に平安)古典の現代語訳

対象読者
・古文の授業で習った作品の全体像を知りたい中高生
・日本の古典にもう一度触れてみたくなった大人

翻訳の方針
・主語をなるべく補う。呼称もなるべく統一。
・一つの動詞に尊敬語と謙譲語が両方つく場合、尊敬語のみを訳出。
 (例)「見たてまつりたまふ」→「御覧になる(×拝見なさる)」
・今でも使われている単語は無理に言い換えない。
・説明的な文章を排し、簡潔に。

※これらは受験古文の方針とは異なるかもしれませんが、現代語としての完成度を優先しました。

作品
・完了 :更級日記(令和二年四月~七月)
・進行中:源氏物語(抄)(令和二年七月~)
・今後手がけたい:とはずがたり、紫式部日記、枕草子、蜻蛉日記、和泉式部日記、夜の寝覚め、堤中納言物語、伊勢物語、竹取物語、大鏡、増鏡、土佐日記

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