朱雀上皇はあの行幸の後の頃からずっと御病気に苦しんでいらっしゃる。以前から御病弱でいらっしゃる中にも今度は不安に思われて「長年、求道の願いが深うございますのに、母上のおいでになった頃は万事に遠慮を申しまして今まで決断が遅れておりましたが、やはりそちらへせき立てられると申しましょうか、俗世にも久しくはおられまいという気がするのです」などと仰せになってそれなりのお心構えをしておいでになる。
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△若菜上①
朱雀上皇はあの行幸の後の頃からずっと御病気に苦しんでいらっしゃる。以前から御病弱でいらっしゃる中にも今度は不安に思われて「長年、求道の願いが深うございますのに、母上のおいでになった頃は万事に遠慮を申しまして今まで決断が遅れておりましたが、やはりそちらへせき立てられると申しましょうか、俗世にも久しくはおられまいという気がするのです」などと仰せになってそれなりのお心構えをしておいでになる。