釜飯屋の更級日記

(二十一)土忌み

 弥生の下旬、土忌みに人のもとに渡ったところ、花の盛りには面白かったそこの桜であるが、いまだに散っていないのもあった。帰って翌日に
 
  飽かざりし 宿の桜を
   春暮れて散り方にしも一目見しかな
 
(飽きることのなかったお宅の桜を、春が暮れて、散り際にも一目見ましたよ)
 
と言わせに人をやる。
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