釜飯屋の更級日記

(四十六)修学院

 親族の一人が尼になって修学院に入ったので、冬頃に
 
  涙さへりはへつつぞ思ひやる
   嵐吹くらむ 冬の山里
 
(涙さえ降りつつひたぶるに思いやっています。嵐の吹いておりましょう冬の山里を)
 
 返し
 
  わけて問ふ心の程の見ゆるかな
   木陰小暗き 夏の茂りを
 
(わけてもここを訪れてくださったお心のほども見えることです。木陰も小暗い夏の茂みを分けてもここを)
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