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更級日記

(六十一)篠薄

 交際のある者どうしで、つぼねの隔てになったやり戸を共に開け、物語などして暮らしていたある日のこと、これもやはり交際のある人が宮の御方のところにおいでになるのを、度々呼び戻そうとしたのに、大切なことであれば行きましょうということなので、そこに枯れた薄があったのに付けて
 
  冬れのしののをすすき 袖たゆみ
   招きも寄せじ 風に任せむ
 
(離れたところにいるあなたに、穂も出ていないこの冬枯れの薄のように振っている袖が、もうだるいので、招き寄せもしますまい。風に任せておきましょう)
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作成者: com

内容
・日本の(主に平安)古典の現代語訳

対象読者
・古文の授業で習った作品の全体像を知りたい中高生
・日本の古典にもう一度触れてみたくなった大人

翻訳の方針
・主語をなるべく補う。呼称もなるべく統一。
・一つの動詞に尊敬語と謙譲語が両方つく場合、尊敬語のみを訳出。
 (例)「見たてまつりたまふ」→「御覧になる(×拝見なさる)」
・今でも使われている単語は無理に言い換えない。
・説明的な文章を排し、簡潔に。

※これらは受験古文の方針とは異なるかもしれませんが、現代語としての完成度を優先しました。

作品
・完了 :更級日記(令和二年四月~七月)
・進行中:源氏物語(抄)(令和二年七月~)
・今後手がけたい:とはずがたり、紫式部日記、枕草子、蜻蛉日記、和泉式部日記、夜の寝覚め、堤中納言物語、伊勢物語、竹取物語、大鏡、増鏡、土佐日記

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