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更級日記

(十四)物語を求めて

 広々とした、荒れたところで、過ぎてきた山々にも劣らぬ奥山のように、大きな恐ろしげな木々があって、都の内とも見えない様のところである。
 まだ住み慣れもせずはなはだ取り込んでいたけれども、待ちに待ったことなので、物語を求めて見せよ見せよと母を責めれば、三条の宮に、親族である人が、衛門の命婦ということで伺候していたのを尋ねて母が文をやってくれたところ、その人は珍しがって、喜んで、御前のを下ろしてきたという取り分け美しい草子を、すずりの箱の蓋に入れてよこした。
 うれしくてうれしくて、夜昼これを見るより始めて、また見たくなるのに、住み慣れもしない都のどこに、物語を求めて見せてくれる人があろう。
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作成者: com

内容
・日本の(主に平安)古典の現代語訳

対象読者
・古文の授業で習った作品の全体像を知りたい中高生
・日本の古典にもう一度触れてみたくなった大人

翻訳の方針
・主語をなるべく補う。呼称もなるべく統一。
・一つの動詞に尊敬語と謙譲語が両方つく場合、尊敬語のみを訳出。
 (例)「見たてまつりたまふ」→「御覧になる(×拝見なさる)」
・今でも使われている単語は無理に言い換えない。
・説明的な文章を排し、簡潔に。

※これらは受験古文の方針とは異なるかもしれませんが、現代語としての完成度を優先しました。

作品
・完了 :更級日記(令和二年四月~七月)
・進行中:源氏物語(抄)(令和二年七月~)
・今後手がけたい:とはずがたり、紫式部日記、枕草子、蜻蛉日記、和泉式部日記、夜の寝覚め、堤中納言物語、伊勢物語、竹取物語、大鏡、増鏡、土佐日記

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