たわいもなかった頃から、心に常に天照大神を念じ申し上げなさいと言う人があった。
どちらにおいでの神やら仏やらなどと言っていたけれども、次第に分別がついて人に問うてみると、
「神でいらっしゃいます。伊勢においでになります。紀伊国造 と申すのはこの御神のです。そのほか、温明殿 に守宮神 としておいでになります」
と言う。
……伊勢の国まで行かれようとは思いもかけない。温明殿にもどうして参拝できようか。空の光を念じ申し上げるべきか……などと、浮いた心のままに思われた。
どちらにおいでの神やら仏やらなどと言っていたけれども、次第に分別がついて人に問うてみると、
「神でいらっしゃいます。伊勢においでになります。
と言う。
……伊勢の国まで行かれようとは思いもかけない。温明殿にもどうして参拝できようか。空の光を念じ申し上げるべきか……などと、浮いた心のままに思われた。